あの雲はなに?雲の種類と特性を学ぼう

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最近、登山やハイキングをするようになりました。始めた当初は、運動不足解消を目的としていましたが、いまではすっかり自然の虜に。草花の名前を調べるたりしながら、山登りを楽しんでいます。

草花以外に、興味を引かれたのは、雲。山頂ではそれこそ、地平線まで空が広がっていて、そこに浮かぶ雲の姿もさまざま。美しい雲を見ていると、雲の名前が知りたくなってきました。

今回は、雲の種類とその名前について調べたことを、まとめてみたいと思います。

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空に浮かぶ雲には種類がある

日中の空を彩る雲。気象条件により、雲はわたしたちに様々な姿を見せてくれます。空に浮かぶ雲を眺めながら、「わたあめみたいだな」「もこもこした羊みたいだな」と、あれこれ想像した経験は誰もがあるのではないでしょうか。

そんなさまざまな姿形に変化する雲ですが、実は、形やできる高度によって分類され、そのひとつひとつに名前が付いています。

雲の種類と名前については、どうやら、小学校で習うようですが、まったく記憶にございません(笑) 小学生に戻った気持ちで、おさらいしてみましょう。

雲の基本パターン分類

雲は、国際気象機関が発行した「国際雲図帳」をもとに、大きく10種類に分類されています。この10個の雲のかたちを、10種雲形と呼びます。

雲には、大きくわけて10種類あります

雲の名称のなりたち

10種類の雲は、5つの漢字の組み合わせによって名前が付けられています。それぞれの漢字の意味を表にしてみました。

雲を表す漢字 意味
巻(けん) 高度が5,000m~12,000mにできる高い雲
高(こう) 高度が2,000m~7,000mにできる雲
積(せき) もこもことした、かたまり状の雲
層(そう) 空いちめんに広がる雲
乱(らん) 雨や雪をふらせる雲

「巻」と「高」は、雲ができる高さを表している漢字です。一方、「積」「層」「乱」は雲の形状や、その性質を表す漢字となります。

これらの、漢字を組み合わせで雲の名前がつけられているのですね。

ちなみに、「巻」の漢字がつく雲を「上層雲」。「高」の漢字がつく雲を「中層雲」と呼びます。では、雲が発生しやすい高さごとに雲の10種類の雲を見ていきましょう。

雲の種類と高さと通称

雲にはその見た目により、数々の通称が付けられています。表の右端に記載していますので、まずは通称から覚えていくと良いかもしれません。

上層雲 巻雲(けんうん) すじ雲
巻積雲(けんせきうん) うろこ雲・いわし雲
巻層雲(けんそううん) うす雲・かすみ雲
中層雲 高積雲(こうせきうん) ひつじ雲
高層雲(こうそううん) おぼろ雲
乱層雲(らんそううん) 雨雲・ゆき雲
下層雲 層積雲(そうせきうん) うね雲・くもり雲・まだら雲
積雲(せきうん) わた雲
層雲(そううん) きり雲
積乱雲(せきらんうん) かみなり雲・入道雲

では次に、それぞれの雲の特徴と性質を見ていきましょう。

10種類の雲の特徴

巻雲(けんうん)

雲のなかで最も高いところにできる雲で、氷の集合体でできています。尾を引くように流れる造形から「すじ雲」とも呼ばれることも。まるで、青いキャンバスに白いペンキをハケでさっと描いたような美しい雲です。かぎ状に曲がった巻雲が広がると天気の変わり目。

 

巻積雲(けんせきうん)

白い小さな雲のかたまりが幾重も連なる雲で、秋を代表する雲のひとつ。魚のうろこのように見えるさまから「うろこ雲」「いわし雲」とも呼ばれます。小さな雲の一つ一つは、氷の集合体。

巻積雲が、空全体に広がったり低い位置に降りてくると、天候が悪化するといわれています。

 

巻層雲(けんそううん)

空一面を白いベールで薄く覆うような雲。滑らかな印象を受けますが、氷の粒によってできています。空の青さをぼやけさせる様から、「かすみ雲」「うす雲」と呼ばれます。また、この雲が太陽にかかると、太陽の周りに暈(かさ)が出来ることもあります。

巻積雲が広がり、厚みをましてくると、天候が崩れるといわれます。

 

高積雲(こうせきうん)

ひつじの群れのように見えることから「ひつじ雲」と呼ばれます。巻積雲に似ていますが、雲が出来る高度と大きさが異なります。ひとつひとつの雲が大きく厚みがある場合は高積雲。雲の底に薄灰色の影ができるのも特徴。

高積雲が大きくなると、天候が悪化することが多いです。

 

高層雲(こうそううん)

空一面を灰色に覆う薄暗い雲。この雲が出だすと太陽や月がおぼろげに見えることから「おぼろ雲」と呼ばれます。

高層雲が空を覆うと、しだいに乱層雲(雨雲・雪雲)があらわれ、雨や雪に変わっていきます。

 

乱層雲(らんそううん)

乱層雲は、高層雲が厚くなり低い位置におりてきたもので、雨や雪を降らせることから「雨雲」「雪雲」と呼ばれます。この雲が空を覆うと、太陽や月は見えなくなり、暗灰色の空模様となります。

 

層積雲(そうせきうん)

曇りの日にみられる、灰色の厚い雲。灰色の大きなかたまり状の雲が群れをなすような姿から、「うね雲」「くもり雲」「まだら雲」と呼ばれます。地上付近から高度2,000mまでの低い位置で発生し、降雨を伴わないことが多いのが特徴。

 

積雲(せきうん)

「わた雲」と呼ばれる、最もポピュラーな雲。晴れの日に発生することが多く、綿のような形をした雲です。この雲が発達し、積乱雲に変化すると激しい雨や雷を引き起こします。

 

層雲(そううん)

雲の種類のなかで、最も低い位置に発生する雲で、「きり雲」と呼ばれます。雲の輪郭がぼやけているのが特徴。

 

積乱雲(せきらんうん)

「かみなり雲」「入道雲」と呼ばれる背の高い雲。雲の頂上の高さは1,0000mを越えることもありますが、10種雲形の分類では下層雲のグループに属します。この雲が頭上にくると、大粒の雨や、雷、雹などが降ってきます。

 

まとめ

今回は、雲の種類として10種雲形と、それぞれの雲の特性を見ていきました。

雲の種類を覚えることで、普段なんとく眺めていた空も、俄然面白く見えてくるのではないでしょうか。また、雲の特性を知ることで、キャンプ、ランニング、ハイキング、登山などのアウトドアアクティビティにも知識を活かせそうです。

今回紹介した10種雲形は、さらに細かい分類があります。興味がある方は、書籍などで学ばれてはいかがでしょうか。


雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑

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