【AOR】 Daryl Hall 「Can’t Stop Dreaming」【ソウル】

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本日は、Daryl Hall(ダリル・ホール)が1996年にリリースしたソロアルバム「Can’t Stop Dreaming」をご紹介します。

ダリル・ホールは、70年代後半から80年代中盤にかけ大ヒット曲を連発したポップスデュオDaryl Hall & John Oates(ホール&オーツ)の片方で、ホール&オーツでは主にメインボーカルと作曲を担当していました。1991年にデュオとしての活動を休止後、ダリルは自身の原点であるブルー・アイド・ソウルに傾倒した作品「Soul Alone」を発売。1993年のことです。

その翌年には本作の制作に取り掛かっていたようですが、ホール&オーツのリユニオンツアーが決定。ツアーの合間を縫うように制作したものだから、リリースに至るまで2年かかったそうです。ライナーノーツに書いてありました。しかも、日本先行リリースで、本場アメリカで発売されたのは2003年になってから。7年前に先行発売というのもあれですが。。

さて、そんな経緯があってからか、前作「Soul Alone」と比べると、本作にはホール&オーツぽい楽曲も収録されています。全体的にアダルトテイストが強い作品なので、80年代のポップテイストの作品とは根本的にサウンドが異なりますが、聴いていると如何にもジョンの声が聞こえて来そうな箇所がいくつもあります。「Can’t Stop Dreaming」「Let Me Be the One」「Holding Out for Love」などの楽曲が該当するでしょうか。

対して、ソロならではの楽曲もあります。例えば、「Cab Driver」はスムースジャズのような楽曲ですし、「All by Myself」は古き良きソウルミュージックを彷彿させるナンバー。極めつけは「Never Let Me Go」で、あのダリル・ホールがクラブビートに乗ってゴキゲンな喉を披露しています。ホール&オーツの名曲「She’s Gone」のネオソウル風セルフカバーなども、ソロアルバムならではでしょう。ビッグネームにも拘わらず、冒険心を感じる作品です。

とはいえ、全盛期のホール&オーツほど前衛的では無く、AORやR&B・ソウルミュージックを下敷きにした大人っぽい円熟したサウンドでアルバムは統一されています。ダリルのボーカルも加齢により、しゃがれて来ていますが、それがまた大人な雰囲気を強くさせているようにも感じます。

楽曲は、さすが稀代のメロディーメーカーだけあり、起承転結のはっきりとした馴染みやすいメロディを持ったものが多いですね。中でも「What’s in Your World」は白眉の出来で、パーラメントのCMソングにも起用された絶品バラードです。このCMで本作を知った方も多いのではないでしょうか。

セールス的には、ビルボードアダルトコンテンポラリーチャートで「Cab Driver」と「What’s in Your World」がそれぞれ、21位・27位と成功したアルバムとは言えませんが、洗練されたサウンドとエモーショナルな歌唱が、温かな余韻を残していく素敵な作品です。

評価:★★★★☆

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