【スムースジャズ】Michael Lington / Stay With Me 【サックス】

先日、紅葉を見に京都方面まで出かけてきました。晩秋の穏やかな空の下、車を走らせながら聞いたのがこちらの作品。随分昔に買ったアルバムで、しばらく聞いても無かったのですが、澄んだ青空と色づいた山々の情景をより美しく引き立てるようなエレガントなサウンドと良曲満載の作品だったので、早速ご紹介いたします。

本日紹介するのはスムースジャズサックス奏者、Michael Lington(マイケル・リントン)が2004年にリリースした「Stay With Me」

マイケル・リントンは、デンマークコペンハーゲン出身のサックス奏者。7歳の時にクラリネットを始めると、「チボリ青年衛兵音楽隊」に入隊。14歳までクラリネット奏者として在籍していました。チボリ青年衛兵音楽隊といえば、黒く大きな帽子と赤い制服がトレードマークですよね。

その後、15歳の時にデイビッド・サンボーンやキング・カーティスに衝撃を受け、サックスをはじめることに。21歳で渡米すると、ロサンゼルスで数々のミュージシャンと演奏を重ねながら自身のスタイルと技術を昇華させていったわけですが、そんなリントンの才能に目をつけたのが、AOR界のドン、ボビー・コールドウェルでした。

当時のボビーバンドと言えば、サックス奏者にとっては名門中の名門的な存在。ボニー・ジェイムス、デイヴ・コーズ、リチャード・エリオット、ナジー等、後のビッグネームを輩出したボビーバンドに4年間在籍した後、1997年にソロデビュー。2021年までに12枚の作品をリリースし音楽活動を続ける傍ら、ワインと葉巻の会社を経営しています。

本作「Stay With Me」は2004年に発売された4作目のソロアルバム。マイケル・リントン自身のご尊顔を大胆にフィーチャーしたアルバムジャケットはさておき、ポール・ブラウン、ブライアン・カルバートソン、チャック・ローブ、デイブ・コーズを始め、スムースジャズシーンではお馴染みのアーティストをゲストに迎えた充実作となっています。

収録曲10曲中、カバー曲はポールマッカートニー&ウイングスの「My Love」のみで、9曲がマイケル・リントンと共作者によるオリジナル楽曲。曲ごとに共作者が異なっている為か、バラエティー豊かな楽曲が並んでいます。

アコースティックギターの明るい音色から始まる1曲目「Show Me」は、ブライアン・カルバートソン他との共作。開放感のある明るいタッチの楽曲で、当時スムースジャズ専門チャンネルでもよく耳にしました。4曲目「Apasionada」はダニエル・センベロとの共作でAORタッチのバラードナンバー。ダニエル・センベロの兄で80年代に「マニアック」を大ヒットさせたマイケル・センベロがコーラスで参加しています。

同じくダニエル・センベロとの共作5曲目「Pacifica」はトロピカルな雰囲気漂うアップテンポチューン。マイケル・ライトンの伸びやかなアルトサックスと軽快なドラムパターンが聴きどころ。ポール・ブラウンのアコースティックギターもリラックスしていて良い。

明るいタイプの楽曲が多い中、異彩を放つ7曲目「Call Me Late Tonight」。共作者ポール・ブラウンの色が強い楽曲で、エレガントでディープな雰囲気のスローR&Bに仕上がっています。マイケル・リントンのアルトサックスも、どこか物悲しげで切迫感を感じます。

アルバムタイトル曲である9曲目「Stay With Me」は南アフリカ出身のシンガーKARMAをフィーチャーした楽曲。ちょっと懐メロぽい雰囲気のあるバラードです。

全10曲でトータル40分と、比較的コンパクトな楽曲が多く聞きやすいアルバムです。マイケル・リントンのサックスは強烈な個性こそ無いものの、丁寧かつ感情豊かに歌い上げられていてエレガンスを感じさせますね。映像と親和性のある音楽なのでドライブなどにも良いでしょう。おススメです。