耳当たりのよいスムースジャズの定番。Chieli Minucci / Renaissance

スムースジャズバンドSpecial EFXの創立者の一人であり、セッションマンとしても有名なギタリストChieli Minucci(チエリ・ミニッツィ)。1983年にSpecial EFX名義でデビューして以来、約40年間にわたり精力的に活動しており、2021年現在までに世に送り出した作品数は怒涛の32作。(その内、12作はソロ名義)

また自らの音楽活動の傍ら、セッションマンとして多くのアーティスト(ロバータ・フラック、チャカ・カーン、セリーヌ・ディオン、ライオネル・リッチー、ジェシカ・シンプソンなど)のレコーディングに参加。その他、テレビ・映画音楽も手掛ける、名実そしてバイタリティー共に優れたギタリストです。

本日紹介するアルバム「Renaissance」は、1996年にリリースされた2枚目のソロアルバム。青い単色の背景にガットギターを抱えたチエリ本人の写真という簡素なアルバムジャケットは、まるでクラシックの作品のようですが、中身はスムースジャズなのでご安心を。

さて、本作の特徴といえば、とにかく耳当たりが良い。これに尽きると思います。チエリと言えばラテンフレイバー溢れる情熱的なパッセージや、グルービーなリズムギターが象徴的ですが、本作では穏やかなフレージングが多く、音色も極めてナチュラル。楽曲自体も、音色の少ないシンプルな構成とアレンジメントの楽曲が並んでいます。

1曲目「Big Sky Country」は、ヒーリング系の穏やかな楽曲。高原の青々とした緑と心地よい風。そんなイメージが浮かんできます。アルバムタイトルソング2曲目「Renaissance」は8つ刻みのギターリフが印象的なナンバー。ギターリフの独奏に始まりドラムやベース、ピアノが合流するにつれスピード感を増していく構成は圧巻。メロディーラインはシンプルながら品格高い雰囲気が漂っています。

3曲目「Cause We’ve Ended As Lovers」はスティービー・ワンダーのカバー。むせび泣くようなギターのトーンとサウンドコントロールが秀逸。エモーショナルな楽曲です。4曲目「Come As You Are」は、エレガントなスローナンバー。メロディーが美しく”スムースジャズの名曲”といっても過言ではない仕上がりとなっています。

6曲目「Shine」は、オクターブ奏法で歌い上げられるメロディーラインが秀逸。明るく、癖の無い楽曲で、有線のスムースジャズチャンネルでも頻繁に耳にしました。David Mannのサックスソロも熱い。9曲目「The Sun Will Always Shine」は本作でベースギターを弾いているFernando Saundersの楽曲で、ボーカルとギターのユニゾンが美しい。

全14曲となかなかボリューミーな作品ですが、サラッと聞き通せる作品となっています。棘や毒の一切ない無色透明なサウンドは、作業用BGMに重宝しますし、映像(ビジュアル)と親和性が高いのでドライブに最適でしょう。是非聞いてみてくださいね♪