【GRP】David benoit / Urban Daydreams 【Fusion】

スムースジャズ、フュージョン界のベテランピアニスト、デイビッド・ベノア。叙情的で華麗なピアノサウンドと、いかにも軽井沢のテニスコートにいそうな品のある風貌で、日本にもファンが多いのではないでしょうか。

彼の作品の中で、最高傑作と誉れ高いのは1988年GRPレーベルより発売された「Every Step Of The Way」ですが、その翌年にリリースされた本作「Urban Daydreams」も負けず劣らずの出来。小気味よいリズムと、透明感に満ちたピアノサウンドが楽しめるフュージョンの名作です。

GRPレーベルの最盛期に出された作品だけあり、レコーディングメンバーのクレジットには懐かしい名前がずらっと並んでいます。ドン・グルーシン、ジミー・ジョンソン、カルロス・ベガ、エイブラハム・ラボリエルなど。皆超一流のスタープレイヤーでありました。

そんなスタープレイヤーと作り上げたサウンドが退屈なものであるはずがなく。緩急自在のドラマチックな曲展開。粒の立ったメロディー。様々な音色が適材適所に散りばめられたアレンジメント。そして、軽やかでジェントルなピアノサウンド。ピアノ奏者のソロアルバムでありながら、トータルサウンドを重視した音作りとなっており、軽やかなLAスタイルフュージョンが楽しめる作品です。

オープニングナンバーの「Sailing Through the City」はドン・グルーシンを彷彿させるミドルチューンで、細かな譜割のテーマを軽やかな16ビートに載せて展開させていくタイプの楽曲。アルバムタイトル曲「Urban Daydreams」はシンフォニーオーケストラをフィーチャーしたドラマチックにアレンジとスリリングな展開が良い。

「Snow Dancing」は、これぞデイビッド・ベノアの真骨頂といった感じの疾走感溢れるナンバー。エリック・マリエンサルのサックスが熱い。アルバム唯一の歌物「When the Winter’s Gone」ではジェニファー・ウォーンズがしっとりとしたボーカルを披露しています。

ビルボード誌コンテンポラリージャズチャートで3位に輝いた本作。発売より30年以上経過している為、少々古臭く聞こえる箇所もありますが、この瑞々しさと躍動感に溢れたサウンドは、いまでも輝きを失ってないのではないかと思います。よろしければ是非聴いてみてくださいね。