1973年アメリカイリノイ州ディケーター出身。ピアノ、キーボードをメインに、ベース、ドラム、トロンボーンを弾きこなすマルチプレイヤーで、プロデュース業もこなす才人。近年は、スムースジャズの枠に留まらず、Funk、New Ageなど多彩な音楽性を提示していますが、2000年代中盤までは、実にスムースジャズらしい作品を発表していました。
当ブログでも、既に1995年作「モダンライフ」、1999年作「Somethin’ Bout Love」、2005年作「It’s On Tonight」、2010年作「XⅡ」を紹介していますので、宜しければご覧ください。
今回レビューするのは1997年作の「Secrets」。カルバートソンの作品群の中でも、特に楽曲の出来が良く、90年代スムースジャズシーンを代表する一枚です。(個人的感想)
■Secretsはこんな人におすすめ
✓ グルービーで甘美なムードのインストが好きな方。
✓ マイルドなピアノサウンドが好きな方。
■Secretsの収録曲
1. So Good |
■90年代スムースジャズの名盤
名門アトランテック・レコードに移籍し、前作からサウンドの方向性が大きく変わっています。前作までは、フュージョンタッチのリリカルな音楽でしたが、本作ではR&Bのリズムを取り入れ大人な雰囲気に変化。ピアノサウンドも硬質なものから、角の取れたマイルドなテイストに変わっており、実に甘美な作風に仕上がっています。
アルバムには、ジェラルド・アルブライト、ポール・ジャクソンJr、ポール・ブラウン、ジェフ・ゴルブ、レニー・カストロなどが参加。また、同郷で、デビュー前のスティーブ・コールもサックスで参加しています。
楽曲は、上質なメロウネスを携えたスロウナンバーが多く、優雅で知的な高揚感があります。これ以後の作品では、グルーブがどんどん深くなり、より濃厚なサウンドに変化していくのですが、本作ではまだライトタッチ。その塩梅が本作の魅力であったり。とにかく、ちょっと汗ばんだようなリズムと、快美なハーモニーは、実にアダルトテイスト満載でムーディーな音楽が好きな方には堪らない一枚でしょう。
■Pickup Songs
アルバム冒頭を飾るM1は、ペンタトニックを中心としたシンプルな旋律ながら、都会的なグルーブをもつクールなナンバー。女性のコーラスもセクシーで実に良いではないですか。夜間フライトのような高揚感がある楽曲です。
M2は、上品なスロウ・スムースナンバー。繊細かつ滑らかな感触は、まるでシルクのような輝き。
ポール・ブラウンとの共作M3は、妖艶な香りがするミディアムファンク。潰れた音色のドラムビートはヒップホップ系か。ハイハットのオープン、クローズがマットな質感のグルーブを構築しています。
M6は、サビの部分で女性コーラスが登場する半歌物ナンバー。しっとりとしたグルーブ、洒脱な旋律、華やかなサウンドは正に「美・G・M」(笑)
M7は、ジェラルド・アルブライトのアルトサックスをフィーチャーしたミディアムテンポの楽曲。リリカルなピアノと扇情的なサックスの音色。どことなく物悲しく刹那な雰囲気に心が締め付けられます。
M8も、またまた極美なメロディのスムースチューン。コード進行も実にお洒落でロマンチック。甘美なムードに浸れる一曲です。
★今回ご紹介したアルバムは、アマゾンミュージックアンリミテッドに加入すると、追加料金が掛ることなくフルで聴くことが出来ます!(月額利用料が別途発生します)本作に収録されている楽曲以外にも約7,500万曲が聴き放題となるアマゾンミュージックアンリミテッド。未加入の方はご検討ください。※月額利用料及び聞き放題対象楽曲は変更される可能性があります。月額利用料等は利用者の費用負担となります。
コメント