今回は、マイナーキーの定番コード進行をいくつか紹介します。記事の前半では、マイナーダイアトニックコードの基礎知識にふれ、後半では具体的なコードワークを音源つきで解説します。
マイナースケールや、マイナーキーのダイアトニックコードについて詳しく知りたい方は以下をご参照ください。尚、キーはAmとします。
3つのマイナースケールから派生するダイアトニックコードと機能
マイナースケールには、ナチュラルマイナースケール、ハーモニックマイナースケール、メロデックマイナースケールが存在する為、マイナーキーにおけるダイアトニックコードにも3つの種類が考えられます。
1.Aナチュラルマイナースケールのダイアトニックコード
2.Aハーモニックマイナースケールのダイアトニックコード
3.Aメロデックマイナースケールのダイアトニックコード
この3種類のダイアトニックコードを自由に組み合わせ、マイナーキーのコード進行は組み立てられますが、種類が多いので厄介です。
なので、3種のマイナースケールから派生するダイアトニックコードを機能別に分類してみます。
機能 | 3コード | 代理コード |
トニック(T) | Am7・AmM7 | Cmaj7・Cmaj7(♯5)・F♯m7(♭5) |
サブドミナントマイナー(SDm) | Dm7 | Bm7(♭5)・Fmaj7・G7 |
サブドミナント(SD) | D7 | Bm7 |
ドミナントマイナー(Dm) | Em7 | |
ドミナント(D) | E7 | G♯dim7・G♯m7(♭5) |
この表を基に、コード進行を考えていきます。
マイナーキーの定番コード進行
■ Am7→Dm7→Em7→Am7
ナチュラルマイナーダイアトニックコードのトニック、サブドミナントマイナー、ドミナントマイナーを使った進行。
■Fmaj7→Em7→Am7
冒頭のFmaj7は、サブドミナントマイナー「Dm7」の代理コードです。
■Am7→G→Em7→Fmaj7
マイナーの雰囲気を残しつつ、スムーズな流れが特徴的なコード進行。
■Am7→Dm7→Bm7(♭5)→E7
E7はハーモニックマイナースケールから派生するドミナントコードです。ドミナントマイナーコード(Em7)と比べると、E7の方がAm7へ進む力が強く、よりマイナーキーらしさが感じられます。
進行の後半部分「Bm7(♭5)→E7」の流れは、ツーファイブと呼ばれ、Am7へ滑らかに解決するのが特徴です。
■Bm7→E7(♭9)→Am7
「Bm7 」はメロデックマイナースケールから派生するダイアトニックコードで、「サブドミナントコード(D7)」の代理コードです。
ドミナントコード「E7」には、ハーモニックマイナースケールのナチュラルテンションノート(♭9=ファ)がついています。コード進行のトップノートが「ファ♯→ファ→ミ」と半音づつ下がるので、滑らかな流れとなります。
■Am7→D7(9)→Fmaj7/G→C→G/B
Aマイナーキーの平行調であるCメジャーキーの雰囲気が強いコード進行です。キー=Aマイナーとすれば、D7(9)は、メロデックマイナースケールから派生するサブドミナントコードとなります。
一方、キー=Cメジャーとすると、D7(9)は「Fmaj7/G」のセカンダリードミナントコードだと考えられ、Cメジャーコードに向かうツーファイブが形成されているとみなすことが出来ます。
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