AORの名盤! Bill Champlin 「Runaway」

AOR
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元シカゴのメンバーでグラミー賞受賞歴もある、シンガーソングライターBill Champlin(ビル・チャップリン)が1981年にリリースした2ndソロアルバム「Runaway」

当時の音楽シーンを代表する超一流のミュージシャンの演奏をバックに、ハッスルした歌唱が炸裂する一枚。

ソングクレジットを見ると、AORファンにはお馴染の演奏家の名前がずらりと並んでいますが、アルバム制作の中核に携わっているのはデイビッド・フォスター(プロデューサー・キーボード)、ジェイ・グレイドン(ギター)、スティーブ・ルカサー(ギター)、ジョン・ロビンソン(ドラム)、ジョン・ピアース(ベース)あたりでしょうか。

楽曲構成をざっくり分けると、6割がロック調のナンバーで、4割がバラード。ロック調の楽曲は総じて、アメリカ西海岸をイメージさせる軽快でカラッとした雰囲気なのが特徴。バラード系の楽曲はハーモニーが美しい甘美なもの。個人的にはバラードが多いように感じますが、好みの問題でしょう。

ビル・チャップリンの歌声は総じて、ハートフルで心に響きますね。この人は、本当に独特なハスキーボイスの持ち主なのですが、音程の正確さはもちろんのこと、歌に表情を付けるのがとても上手く、男らしく豪快に歌い上げたかと思えば、今にも消え入りそうな震え声で切実に訴えかけてきたりと、まぁ聞き手を飽きさせません。

ビルの歌唱を満喫するには6曲目「Take It Uptown」がおススメです。この曲はケニー・ロギンスとの共作でケニー本人もバックコーラスで参加しているドゥーワップ調のナンバーで、ファルセットを織り交ぜたウィスパーボイスから、豪快なガナリまで披露した聴きごたえのあるハッスルナンバーです。

その他にも、心が締め付けられそうな歌声を聞きたければ、4曲目「Tonight Tonight」がよいでしょう。サビの「Tonight~♪Tonight~♪」の箇所など、本当に苦しそうです。ビルはメロディーのお尻の方に色を付けるのが巧く、声を震わせたり、ファルセットにしたり、わざと声を詰まらせたりしてメロディを切りますが、それがエモーショナルに聞こえる一番の要因かもしれません。お尻に注目しながら聞くのも、おつでしょう。

バックサンドに目を向けると、どの楽曲の演奏も最高に良いですが、白眉なのは7曲目「Satisfaction」。16ビートと8ビートを交えたファンキーなロックチューンで、息ぴったりのタイトな演奏とユニゾンフレーズ、そしてジェリー・ヘイ率いるブラス隊が熱い1曲で、本作のハイライトの一つになっています。

どの楽曲も本当によく出来ていて、特に、夕暮れ時のカリフォルニアを彷彿させる2曲目「One Way Ticket」や、AORというジャンルを代表する名バラード3曲目「Sara」、至高の極美ナンバー8曲目「Gotta Get Back To Love」が琴線に触れました。AORの傑作ですね。

評価:★★★★★

★今回ご紹介したアルバムは、アマゾンミュージックアンリミテッドに加入すると、追加料金が掛ることなくフルで聴くことが出来ます!(月額利用料は別途発生します)本作に収録されている楽曲以外にも約7,500万曲が聴き放題となるアマゾンミュージックアンリミテッド。未加入の方はご検討ください。※月額利用料及び聞き放題対象楽曲は変更される可能性があります。月額利用料等は利用者の費用負担となります。

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