温かいフィーリングに満ちたポップジャズインスト　Earl Klugh「Sudden Burst Of Energy」

スムースジャズギタリストEarl Klugh(アール・クルー)が1996年にリリースした「Sudden Burst Of Energy」

原題のような「エネルギーの爆発」は感じられなかったものの、観音様の後光に包まれるような温かいフィーリングに満ちたポップジャズインストでした。

邦題は「そよ風のオアシス」。原題より、こちらの方が、アルバムの雰囲気をうまく表現している気がします。

アール・クルーは1976年のソロデビュー以来、アコーステックギターを用いたインストゥルメンタルミュージックを頑なに守り続けている人物。基本自作曲を自己プロデュースでリリースするスタンスなので、どの作品を聞いても金太郎飴状態なのは否めないけれど、この作品は出来がよいと思います。

楽器構成は、ギター(ナイロン弦)、ピアノ・キーボード、ベース、ドラム。曲によってはサックスなどの管楽器が登場します。主旋律は全編にわたってナイロン弦のアコースティックギターによって奏でられていて、アールのハートウォーミングなギターサンドが満喫できます。

収録曲は全11曲で、歌物の楽曲はなし。ジャジーな雰囲気やスリリングな展開の曲も少なく、終始リラックスした雰囲気で曲が進んでいくので、退屈に感じられる方もいるかもしれません。

ただし、メロディは宝玉を散りばめられたような美しさであり、その旋律を、まるで子供時代の宝物を愛でるように、丁寧にギターで歌い上げていて、聞いていると温かい光に包まれているように穏やかな気持ちになる作品です。

評価：★★★★☆

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