1962年アメリカメリーゴーランド州へイガーズタウン生まれのサックス奏者。1984年に大学を卒業すると本格的に音楽活動を開始。セッションミュージシャンとして、エクスポゼ、リチャード・マークス、エルトン・ジョンなどポップス系アーティストのレコーデングに多く参加しました。また、リチャード・エリオットの後釜として参加した「タワー・オブ・パワー」での仕事でも有名です。
長年セッションミュージシャンとして活動していましたが、2000年にセルフタイトルアルバムでソロデビューを果たします。38歳と遅出のデビューでしたが、セッションミュージシャン時代に培った経験と個性的なサックスの音色でビルボード誌のジャズチャートでトップ30入り。スムースジャズシーンを代表する人気奏者の一人となります。
現在も精力的に活動をつづけていて、2022年までに12枚のオリジナル作品をリリースしています。
本日紹介するのは、2011年に発売された7枚目のソロアルバム「S7VEN LARGE」。風変りなアルバムタイトルは、ユージの出生名「Steven Eugene Grove」をもじったもの。収録曲名でも、数字にかけた言葉あそびが見受けられます。
S7VEN LARGEの収録曲
1. Track 01 |
S7VEN LARGEの感想
全曲セルフプロデュース、セルフアレンジメントの作品。本作には、スペシャルゲストとして(ポール・ブラウン、リック・ブラウン、ピーター・ホワイト、故ジェフ・ゴルブ、グレッグ・カルーカスなど)、スムースジャズでお馴染みの奏者が参加していますが、楽曲の大半は若手を中心とした固定メンバーによって演奏されています。
サウンドは、生音中心のジャムセッションのようなスタイル。楽器の構成がシンプルなので、各楽器の音の輪郭が鮮明で、スッキリとしたハーモニーを奏でているのが印象的です。作中ではサックス以外の楽器にもソロパートなどの「聞かせどころ」があり、バンドサウンドのような一体感が演奏から感じとれます。
サックスの音色は、いつもどおり艶っぽい響き。色気があります。ユージ・グルーブは、リチャード・エリオットやボニー・ジェイムス等、スムースジャズの他の人気サックスプレイヤーと比べ、音の線が細く、雄弁に語るような奏者ではありませんが、「はにかんだ」ようなプレイスタイルが持ち味。本作品でも、そんなプレイスタイルにマッチした、スィートで繊細なサウンドが展開されています。
収録曲の中には、3連符のバラードやライトファンクなども織り交ぜられており、飽きがこない作りになっています。そして、どの楽曲も人の発声に近い「間を活かした」キャッチーなメロディーラインがあり、ユージ・グルーブの作曲能力の高さがうかがえます。
Pickup Songs
アルバムオープニングナンバーM1は、ソプラノサックスがパーカッシブなフレーズを奏でるミドルテンポの楽曲。
アルバムタイトル曲M3は、アーバンソウルの雰囲気漂う楽曲で、本作のハイライト。ユージ・グルーブの真骨頂ともいうべきキャッチーなメロディーラインに溢れたナンバーです。ポール・ブラウンがギターで参加しています。
M8は、3連符のバラードナンバー。シックなエレピサウンドと、艶っぽいサックスの音色が実にムーディな雰囲気を演出しています。
M9では、ピーター・ホワイトがギターで参加。曲中では語り掛けるようなソロを披露すると共に、エンディングではサックスとユニゾンし曲を盛り上げています。
★今回ご紹介したアルバムは、アマゾンミュージックアンリミテッドに加入すると、追加料金が掛ることなくフルで聴くことが出来ます!(月額利用料が別途発生します)本作に収録されている楽曲以外にも約7,500万曲が聴き放題となるアマゾンミュージックアンリミテッド。未加入の方はご検討ください。※月額利用料及び聞き放題対象楽曲は変更される可能性があります。月額利用料等は利用者の費用負担となります。
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