【AOR】Bernard Oattes 「Frame By Frame」

AOR
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90年代AORの名盤として誉れ高い作品です。サウンドの主体は打ち込み系のAOR。同時代に制作されたJay Graydonの「Planet3」や、 Clif Magnessの「Solo」などと比べると、お金がかかっていない感がありますが、バーナードは楽曲のバリエーションと質で勝負。

本作を聞いて連想したのは、マイケル・マクドナルドやTOTO、スティーヴン・ビショップといったAORで名うての音楽家が80年代後半に出したポップな作品たち。ジャズ、レゲエ、ファンクなど様々な音楽的エッセンスを、デジタルなポップスに落とし込み、都会的でお洒落に仕立てているところに似通った雰囲気を感じますね。

また、作中のいたる所で、AOR周辺のアーティストへのオマージュを聴くことができます。

例えば、ジャジーな1曲目は、スティーリ・ダン。2曲目はクリス・レアを彷彿させます。5曲目はTOTOのバラード風。「I’LL BE OVER YOU」に似ています。7曲目はバーシャの「Cruising for Bruising」でしょう。

9曲目はスティングの「Englishman in New York」とドナルド・フェイゲンの「I.G.Y」のハイブリット。

と、そんな感じで思わずニヤリとさせられる楽曲が並んでいます。二番煎じと言ってしまえば其までですが、楽曲の質は高いですし、なにより一枚の作品の中で色んなタイプのナンバーが出てくる楽しさがあります。

サウンドは上にも書いた通り、打ち込み系です。ベース、ドラム、パーカッションなどのリズムトラックはほぼ全てコンピューターが演奏していますが、リズムパターンは豊富で丁寧に作られていると思います。また、サックスなどの管楽器が大々的にフィーチャーされていて、サウンドに煌びやかさと大人びた雰囲気を与えています。

バーナードはというと、全曲でキーボードとボーカルを担当しており、キーボードは派手な演奏はありませんが、時折ジャジーなソロを採ったりしています。ボーカルは、キャラクターの立った声では無いものの、音域が広く正確なピッチと伸びやかな唱法で、弱い感じはしませんね。そのあたり、同じAORマニアであろうフレデリック・スラマさんとは異なります。

収録曲全11曲中、白眉なのは5曲目「Throw Your Fears To The Wind」マイケル・マクドナルドのコーラスも聞こえて来そうではありますが、90年代AORを代表する名バラードです。

評価:★★★★☆ 

★今回ご紹介したアルバムは、アマゾンミュージックアンリミテッドに加入すると、追加料金が掛ることなくフルで聴くことが出来ます!(月額利用料が別途発生します)

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