本日は、お洒落な雰囲気をもつエモ系コード進行をご紹介します。各パターンにおいて構成音や成り立ちを、音源ファイル付きで解説していくので、よろしければご覧ください。
※コードパターンはすべてCメジャー(Aマイナー)キーで作成しています。
Dm9→G9sus4→A9sus4→C♯dim7
メジャーコードでも、マイナーコードでもない特殊な響きをもつ和音が連結しているパターン。C♯dim7は、Dm9のドミナントセブンスコード「A7」の代理コードです。
ドミナントセブンスコードの「半音上にルートをもつデミニッシュ(セブンス)コード」は、ドミナントセブンスコードの代理コードとして使用でき、この場合は「A♯dim7」が該当します。
また、デミニッシュコードは1オクターブを減3度の間隔で等分しているので、A♯からはじめても、C♯からはじめても、Eからはじめても、Gからはじめても構成音は同じとなります。
なので、同じ構成音をもつデミニッシュコードは、すべて代理コードとして使用ができることになります。今回のケースでは、Dm9へ半音でアプローチするC♯dim7を採用しています。
デミニッシュコードについてはこちらで解説しています。
Am7(9)→E♭maj7→Dm7(9)
Aマイナーダイアトニックコード「Am7(9)・Dm7(9)」の間に、ノンダイアトニックコード「E♭maj7」を挿しこんだ進行。
半音上もしくは半音下のコードをアプローチとして使えば、簡単かつ効果的にコードを滑らかに聞かせることができます。
{Cmaj7(9)→C♯maj7(9)}×2→Bdim7
上で紹介した半音アプローチを大胆に使用したパターン。C♯maj7(9)はノンダイアトニックコードですが、違和感なく聞こえると思います。半音マジックですね。
Bdim7は、Cコードの「ドミナントセブンスコードG7」の代理コードです。半音上にルートをもつデミニッシュコードはドミナントセブンスコードの代理コードとして機能します。
また、G♯dim7とBdim7は音の構成がまったく同じなので、B→Cと半音程での流れを作るため「Bdim7」を採用しました。
ゆったりとした雰囲気の進行ですが、ノンダイアトニックを使っているので意外性もあり、なかなか「エモい」進行だと思います。
Am7(9)→Caug/F♯→Fmaj7(9)→Cmaj7(9)
Caug/F♯という如何にも難しそうな名前のコードが登場しています。このコードは、「分数augコード、イキスギコード、ブラックアダーコード」などと呼ばれます。
単独で弾くと不協和音に近いですが、和音の流れの中に適切に入れると滑らかな響きとなります。
このCaug/F♯は、Cメジャーコード(C・E・G)の完全5度「G音」を半音上下に動かしたものです。構成音は「C・E・F♯・G♯」で、F♯をベース音にすると、上層部は「C・E・G♯=Caug」となります。
使い方は、以下のとおりとなります。
2. 次にくるコードの半音上の音を、ルート音に指定します。今回の場合はF♯です。
3. 1で見つけたドミナントコードの完全5度を半音上げて、オーグメント(aug)にします。今回の場合はCaugです。
4. 出来上がったコードを設置します。
Fmaj7(9)→Dm7(9)→Amaj7(9)
FメジャーからDマイナに進みAマイナーに解決すると思いきや、まさかの「Aメジャー」に着地。Aメジャーコードは、もちろんノンダイアトニックコードです。
トニックをノンダイアトニックにしても大丈夫なの?と思われる方もいると思いますが、トニックコードをメジャーからマイナーに、マイナーからメジャーに変えるのは、サウンドに意外性をもたせたい時によく使われる手法です。理論的には、「同主調への一時転調」となります。
このコード進行をさらにアレンジするなら、Aメジャーの前に「Asus4」を挿入してみてはいかがでしょうか。ワンクション置く事で、より滑らかに、よりAメジャーに解決した時の意外性を際立たせることが出来ると思います。
まとめ
今回はお洒落でエモいコード進行をご紹介しました。お気に入りは見つかりましたか?「もっとスッキリしたコード進行が好きだな」と思ったなら、「王道コード進行パターン集」を参照してみてください。
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