スムースジャズの隠れた名盤 Thom Rotella「Can’t Stop」

Smooth Jazz / Fusion
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みなさんこんばんは!ブログを始めてからというもの、家族やペットたちとのコミュニケーションが不足ぎみで、「とーちゃんまたブログ書いているの」と半ば呆れ気味に言われている管理人です。

さて、今回もお気に入りのアルバムをご紹介したいと思っておりますが、どのジャンルの音楽においても、アンダーレイティング(その実力に比べ評価や知名度が低い)なアーティストがいますよね。本日は、スムースジャズ界において最もアンダーレイティングされていると私自身が感じているアーティストの作品をご紹介いたします。それではLet’s Go~~♪

本日ご紹介する作品はスムースジャズギタリストThom Rotellaが1997年にリリースした「Can’t Stop」です。

About This Musican

Thom Rotella(ソム・ローテラ、トム・ロテラ)はアメリカNY出身のスムースジャズギタリスト/コンポーザー/プロデューサー。ギターを始めたのは8歳の時。10歳からはレッスンに通いだし、大学ではクラシックギターを先行。卒業こそしなかったもののバークリーにも在籍しゲーリー・バートンの下で学んだ。

バークリー中退後ロサンジェルスに移住しスタジオミュージシャンとして働きだす。1984年にNYへ戻った後、87年にDMPレーベルからファーストソロアルバムをリリース。90年までの3年間で3枚のアルバムを制作した。

その後96年までの間、主にコマーシャルやTV番組、映画音楽の作曲に従事しソロアルバムをリリースすることは無かったが、アルバム「Spirit Of The Carols」でカムバック。2012までに7枚の作品をリリースしています。

2012年以降、ソロ名義の作品は出しておりませんが、映画「Ted,Ted2」や人気ドラマ「Sex and the city」アニメーション「シンプソンズ」など、サウンドトラックを多く手掛けています。

Impression

ウエス・モンゴメリの系譜を引き継ぐポール・ジャクソンJRやノーマン・ブラウンと同スタイルのギタリストですが、CDを聴いた限り、もしかしたら彼ら(ポール、ノーマン)より総合的なアーティストとしての資力は上なのでは。

まず、作曲能力。非常に高いです。ブロック単位でのメロディーの質や複合的なサウンドの流れ、ソロの構成、どれをとっても高水準で高品質。そして、ギターの演奏技術。はっきり言ってバカテクです。

それも、”速弾きができる”とか”難しいフレーズが弾ける”といったレベルの上手さとは比較にならない巧さ。ピッキングの鋭いキレ、ディープで濃厚なトーン、リズムのど真ん中にくるタイム感。それに、音の強さや表情といったアーティキュレーションの表現力が凄まじいです。まさに匠の技!

アルバム全体の印象はスモーキーな雰囲気漂う都会的なスムースジャズ。アシッドジャズからの影響を感じるミスティーなサウンドで、バータイムのBGMとして極上なのではないでしょうか。スロー~ミドルテンポの楽曲が多いものの、ソリッドなリズムアレンジと、重厚なアンサンブル、そしてローテラの表現力に秀でたギターにより飽きのこないサウンドとなっております。以下にオススメ曲も載せておきますので合わせてご覧ください。

My Favorite Songs

M1「What’s The Story」はニュージャックスイング系の跳ねた16ビートのスムースジャズ。オクターブ奏法の鋭い切れ味、マイルドで甘美なトーンが、甘くも危険な(笑)都会の夜をイメージさせる。リック・ブラウンによるフリューゲルホルンも◎

M2「Mood」はスローなテンポのムード抜群の楽曲。バース2の低音弦中心のゆったりとしたオクターブフレーズと短いながらもテクニカルな「おかずフレーズ」が何ともニクらしい。1:05辺りからのグリスアップ~高音弦オクターブの流れの色っぽさはデイビッド・T・ウォーカーに肉迫する勢い。繊細でエモーショナルなギターソロからはブルースへの深い造詣が窺えスタイルだけのギタリストと一線を画しています。

M5「Can’t Stop」はアップテンポのスムースジャズチューン。ペンタトニックスケールを基軸にしたシンプルなメロディながら、スピーディーでキレの良い演奏が素晴らしい。ギターソロも手癖的ではく歌い上げるような音運びで良い感じです。

 

さて今回のレビューはいかがでしたか?itunesの試聴ファイルが見当たらず、かといってYoutubeの貼り付けも著作権的にできないので、泣く泣くあきらめましたが、是非みなさん聞いてみてください。特にギタリストの方にとっては良いお手本となること間違いなし!

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