Special EFXは、キエリ・ミヌッチ(ギター)とジョージ・ジンダ(パーカッション)により1982年に結成されたスムーズジャズユニット。2001年にジンダが死去してからは、ミヌッチのソロプロジェクトとして活動しています。
本日ご紹介するのは1995年にリリースされた12thアルバム「Body Language」。本作をもってミヌッチが一時グループを脱退しており、その後ジンダが病に倒れ闘病生活に入るため、本作がミヌッチ・ジンダの二人が揃ったラストアルバムとなります。
ミヌッチ脱退前の作品だからか、今まで作中に1曲はあったミヌッチ&ジンダの共作ナンバーがありません。アルバム全10曲中、5曲がミヌッチ(および共作者)の楽曲、残り5曲がジンダ(および共作者)の楽曲で構成されています。
ミヌッチの楽曲と、ジンダの楽曲では、それぞれ曲調や楽器構成が異なっていて、大雑把に違いを纏めると以下のような感じ。
■ミヌッチの楽曲:スムースジャズらしいギターインスト。打ち込みによるリズムトラックで、無機質でクールなサウンド。
■ジンダの楽曲:エスニックな雰囲気が漂うワールドフュージョン系。生楽器主体のリズムトラック+サックス。繊細なサウンド。
このように、一枚のアルバムの中にテクスチャの異なる楽曲が混在しているのが本作の面白さである反面、二人の音楽性の違いを見せつけられているようで寂しくも感じます。ジンダの死後、ミヌッチは「ジンダのスピリットを受け継ぐ」としてバンドに舞い戻り、現在まで活動を存続させていますが、なんとも物悲しいラストです。
とはいえ、演奏面では互いのサウンドを引き立て合う絶妙なアンサンブルを聞かせています。ミヌッチ作の打ち込み系の楽曲では、ジンダのパーカッションや金物エフェクツがサウンドのスパイスとなっています。
一方、ジンダのエスニックサウンドを最大限に引き立てるギター奏者はミヌッチ以外に居ないでしょう。彼の美しくも牧歌的なギターサウンド。巧みな強弱コントロールから繰り出されるパーカッシブなフレージング。このミヌッチ&ジンダのアンサンブルこそがSpecia EFXらしさであり、魅力であったように感じます。
両者が揃って演奏している為か、音楽性の違う楽曲が混在していても、一応の統一感があり違和感なく聴ける作品です。また、スケールの大きい楽曲が多く、景色との親和性が高いので、ドライブ時に聞くのが良いのではないでしょうか。個人的にはフュージョン時代の作品の方が好きなので星は控えめですが、良作だと思います。
評価:★★★☆☆
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