マーケット環境の理解
■代表的な景気・経済指標
【GDP】
一定期間内に国内の経済活動によって生み出された付加価値の総額
【景気動向指数】
総合的な景気指数・・・内閣府が毎月発表
1.CI(コンポジット・インデックス)・・・景気変動の大きさやテンポを測る
2.DI(ディフュージョン・インデックス)・・・景気の波及度を測る
※それぞれに対して先行指数、一致指数(有効求人倍率など)、遅行指数がある
【日銀短観】日本銀行が年4回発表する
主要企業を対象に、景気動向に関する調査を集計したもの。代表的な指標として業況判断DIがある。
【マネーストック】
中央政府や金融機関を除く、個人・法人・地方公共団体が保有する通貨量の残高。日本銀行が毎月公表
【物価指数】
1.企業物価指数:企業間取引における商品価格の変動を捉える(日本銀行が発表)
原油価格や外国為替の変動の影響を受けやすい
2.消費者物価指数:家計が購入する財とサービスの価格を捉える(総務省が発表)
■金融商品・為替・金利などの一般的な相関関係

名目金利:通常の金利(預金等の金利)
実質金利:名目金利からインフレ率を引いた数値
通常は実質金利<名目金利となる。デフレ期は実質金利>名目金利となる
■金融政策
【基準割引率および基準貸付率の変更】
日本銀行が民間金融機関に貸し出す金利を操作すること
【公開市場操作】
売りオペレーション:日本銀行が保有している債券などを金融機関へ売却し、市中の資金量を減少させる
買いオペレーション:日本銀行が金融機関から債券などを購入して、市中の資金量を増加させる
【マネタリーべ―ス】
日本銀行が世の中に直接的に供給するお金のこと。増加させると金融緩和の効果がある
【短期金融市場】
1年以内の短期資金を調達・運用する市場の総称
インターバンク市場:金融機関だけが参加。コール市場、手形市場
オープン市場:金融機関以外の一般事業法人も参加できる。社債や国債などを取引
預金等の金融商品
■預金等金融商品の特徴
【決済用預金(無利息型普通預金)】
無利息・要求払い・決済サービスを提供できる預金。金融機関が破たんしても全額が保護されるのが特徴
【外貨建ての金融商品】
◆為替レート
TTS:円を外貨に換えるレート
TTB:外貨を円に換えるレート
■金融商品の利回り計算方法
●【単利】:当初預けた元本を基準として、利息が計算される
単利の計算式:元本×(1+利率×年数)
●【複利】:利息を加えた新しい元本を基準として、利息が計算される
複利(1年複利)の計算式:元本×(1+利率)n乗 ※n=年数
債券投資
■債券
【債券の分類】
国債・・・国が発行した債券
地方債・・・地方自治体が発行した債券
社債・・・企業が発行した債券
【利付債と割引債】
※利払い方法による分類
利付債・・・毎年決まった時期に利息を受け取れる
割引債・・・利息相当分を差し引いた金額で発効される
【債券のリスク】
◆信用リスク:ダブルB格相当以下の債券は「投機的格付」とされる(投資適格債券はトリプルB格相当以上)
◆価格変動リスク:固定金利の債券は金利が上昇すると価格が下落し、金利が低下すると価格が上昇する
【債券の発行時に定められること】
表面利率:額面金額に対する1年間の利息の割合
発行価格:オーバーパー・アンダーパー
償還期限:債権の額面金額が投資家に戻る日
■個人向け国債
中途換金しても元本割れリスクのない国債
【変動10年】
利率:基準金利×0.66 利率の下限:0.05% 半年ごとに金利見直し
【固定5年】
利率:基準金利ー0.05% 利率の下限:0.05%
【固定3年】
利率:基準金利ー0.03% 利率の下限:0.05%
※いずれも発行後1年経過すれば、いつでも換金可能
■債券の利回り
1年あたりのインカムゲインと1年あたりのキャピタルゲインの合計(1年あたりの儲け)を投資額で割って求める。
債券の利回り(%)=(毎年のインカムゲイン+キャピタルゲイン÷保有年数)÷投資額×100
株式投資
■株式投資の投資指標
【PER(株価収益率)】
PER(倍)=株価÷1株あたりの純利益(EPS)
※約15~20倍が平均的な水準 数値が高いほど株価が割高
【PBR(株価純資産倍率)】
PBR(倍)=株価÷1株あたりの純資産
※1倍を切ると割安感がある
【ROE(自己資本利益率)】
ROE(%)=純利益÷自己資本×100
【配当利回り】
配当利回り(%)=1株あたりの配当金÷株価×100
【配当性向】:利益のうち株主に還元した割合を求める
配当性向(%)=配当金総額÷純利益×100
※1株あたりの配当金÷EPS×100でも求められる
■株式投資の基礎知識
【指値注文】:値段を指定して行う注文
※複数の買い指数注文がある場合には価格の高い注文から優先して成立
【成行注文】:値段を指定しないで行う注文
【代表的な相場指標】
1.日経平均株価:東証一部に上場してる銘柄のうち225銘柄を選択修正
2.東証株価指数(TOPIX):東証一部の全銘柄を対象として加重平均
3.JPX日経400:400銘柄を対象に時価増額で加重平均
【株式の受け渡し】
株式の売買代金は、売買成立の当日を1日目として3営業日目に決済される。土日祝は含まれない
投資信託
■株式投資の分類
【株式投資信託と公社債投資信託】
★株式投資信託:株式を組み入れることが出来る投資信託。株式を組み入れなくてもよい
★公社債投資信託:株式を組み入れない投資信託
【アクティブ運用とパッシブ運用】
★アクティブ運用:ベンチマークを上回る運用成果を目指すスタイル
★パッシブ(インデックス)運用:あらかじめ定めたベンチマークに連動することを目指す運用スタイル
【バリュー型運用とグロース型運用】
★バリュー型運用:バリュー(価値)がある企業に投資する手法。割安と判断される株式に投資をする
★グロース型運用:グロース(成長)が期待できる企業に投資する手法
■投資信託のコスト
【購入時手数料】
購入時に販売会社に支払う費用。ノーロード型といわれる手数料無料の投資信託も多い
【信託報酬】
投資信託の運用管理費。信託財産から日々差し引かれる
【信託財産留保額】
投資信託を解約する際に支払う費用。ない場合も多い
■公社債投資信託と上場投資信託
【公社債投資信託】
中期国債ファンド、MMF、MRFなどがある。MMF、外貨建てMMF、MFRは日々決算、月末最終営業日に元本超過額が分配金として再投資される。
【上場投資信託】
上場して証券取引所で取引されている投資信託のこと。株式同様、指値注文、成行注文、信用取引ができる。ETF、J-REIT(不動産投資信託)がある
ポートフォリオ運用と金融派生商品
■ポートフォリオ運用
【分散投資】
様々な種類の資産クラスに資産を分配すること=アセットアロケーション
【期待収益率と標準偏差】
期待収益率(リターン):将来期待される利回り
標準偏差(リスク):リターンのばらつきの度合いの大きさ
【相関係数】
+1:証券の値動きが完全に同じになる=リスク軽減効果が最小になる
0:証券間の値動きに全く相関関係がない
-1:証券の値動きが完全に反対の動きとなる=リスク軽減効果が最大になる
■金融派生商品
【先物取引】
特定の資産の価格変動リスクを回避する。売りヘッジ・買いヘッジ
【オプション取引】
将来の一定時点に、一定の価格で特定の商品を売買する権利を売買する取引。コールオプション(買う)・プットオプション(売る)
【スワップ取引】
金利や通貨から生じるキャッシュフローを交換する取引
金融商品の税金
■各金融商品の税金
【預貯金】
利子支払時に20.315%の税金が差し引かれる(源泉分離課税)
【債券】
1.利子:利子所得として20.315%が源泉徴収され申告分離課税の対象
2.譲渡益(返還損益):譲渡所得として20.315%の申告分離課税がかかる
【株式】
1.配当金:配当所得として20.315%の源泉徴収。確定申告をすることで総合課税や申告分離課税を選択できる
2.譲渡益:譲渡所得として20.315%の申告分離課税がかかる。特定口座の源泉徴収ありの場合は証券会社が代わって納税するので、個人で確定申告をする必要はない
【投資信託】
1.株式投資信託:
配当金:配当所得として20.315%の源泉徴収(総合課税、申告分離課税の選択が可能)
※追加型の株式投資信託で、分配落ち後の基準価額が分配落ち前の個別元本を下回る部分の分配金は、元本払戻金(特別分配金)として非課税
譲渡益:譲渡所得として20.315%の申告分離課税がかかる。特定口座の源泉徴収ありの場合は証券会社が代わって納税するので、個人で確定申告をする必要はない
2.公社債投資信託:利子所得として20.315%の申告分離課税
■NISA(少額投資非課税制度)
国債・公社債投信などは対象外
【制度対象者】:20歳以上(ジュニアNISAは0~19歳)
【非課税投資枠】:新規投資額で年間120万円が上限(ジュニアNISAは80万円)
【非課税期間】:最大5年間
※ジュニアNISAのみ18歳まで払出し制限あり
◆つみたてNISA
【非課税投資枠】:新規投資額で年間40万円が上限
【非課税期間】:最大20年間
金融取引に関する法律
■消費者保護のための法律
【金融商品販売法】
顧客に対して重要事項の説明をしなかったこと、断定的判断の提供を行ったことにより顧客に損害が生じた場合の損害賠償責任について定めている
【金融商品取引法】
◆試験に出るPoint
適合性の原理:顧客の知識、経験、財産の状況および契約を締結する目的に照らして不適切と認められる勧誘を行ってはならないという原理規則
セーフティーネット
銀行・証券会社・保険会社などが破綻した場合に、顧客の資産が保護されるしくみ
■預金保険制度
【保護の対象外】
外貨預金、譲渡性預金など
【保護の対象額】
元本1000万円とその利息が上限
※決済用預金は全額保護される
■保険契約者保護機構と日本投資者保護基金
【保険契約者保護機構】
責任準備金を一定割合まで補償し保険契約の維持を図り、保険契約者を保護する制度
【日本投資者保護基金】
証券会社が破綻し、株式、債券、投資信託、外貨建てMMFなどが返還されない場合に、一般顧客1人あたり1000万円を上限に補償される(FXの取引証拠金は対象外)
※銀行は日本投資者保護基金に加入していないので、銀行で購入した投資信託は保証の対象外。
コメント