カラーコーディネーター2級要点まとめ【Chapter4 日常生活と色彩のかかわり1-2】

カラーコーディネーター2級
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カラーユニバーサルデザイン

■色を感じるしくみ
光は約400nm~約700nmの電磁波で、眼の網膜にある視細胞によって検出される
 
【杆体】:夜間など暗いところではたらく
 
【錐体】
L錐体:長波長を感じる
M錐体:中波長を感じる
S錐体:短波長を感じる
 
■明度:主にL錐体とM錐体の反応の平均
■赤みの差(赤緑軸):L錐体とM錐体の反応の差
■青みの差(青黄軸):L錐体とM錐体の反応の平均とS錐体の反応の差
 
■色の見え方の多様性
【色覚の種類と色の見え方の特徴】
 
1.C型(Common type 一般型)
紫から赤までの色を精度よく識別できる
 
2.P型(Protanopia 1型)
赤を暗く感じる。視細胞の総数はC型と同じ
 
3.D型(Deuteranopia 2型)
赤みの差がわかりにくい
 
4.T型(Tritanopia 3型)
青みの差がわかりにくい
 
5.A型(Achromatopsia)
色の明暗は感じられるが色合いの違いが判別できない
 
1~5までは先天的なもので、一生変化することはない。後天的なものには、6.網膜の疾患による色覚変化、7.水晶体の疾患による色覚変化(白内障など)、8.心因性の色覚変化がある。
 
P型とD型は総称して赤緑(せきりょく)色弱と呼ぶ。2型色覚を強度、異常3型を弱度とする。日本では男性の5%、女性の0.2%が色弱者。
 
■カラーユニバーサルデザインの考え方
『カラーユニバーサルデザイン』
さまざまな色覚をもつ人に配慮し、すべての人にきちんと情報が伝わるようなカラーデザイン
 
【色弱や弱視の人が見分けにくい色】
■混同線上に並ぶ色の組み合わせ
P型、D型、T型の人が見分けにくい色は、色度図上でほぼ一直線上に並ぶ。この線のことを混同線という
 
混同線上に並ぶ色の組み合わせを使わない⇒カラーユニバーサルデザインの基本的考え方
 
■小面積のもの、離れたものの色
色面積が小さいほど色の差がわかりにくくなる
 
■光るものの色
LEDなどの光源は、電圧の違いにより色が変わり、明るさの違いを色の識別に使うことができないので、間違いやすくなる
 
■赤を使用した表示
一般の色覚の人⇒目立つ色
色弱や弱視の人⇒特に目立つ色ではない
 
■色名でのやりとり
違う色名の色を区別できないなど、色名の間違いを防ぐため、あらかじめ色名を明記しておくなどの配慮が必要。テレビのリモコンのカラーボタンなど。
 
【色弱の人の方が敏感なケース】
■青みの差を感じやすい
例:緑と青緑は一般の色覚の人にとっては紛らわしいが、色弱の人にとっては全く違う色に見える。
 
■質感や明暗の差に敏感
色認識の際、色弱の人は明度や濃淡の違いを指標にしているのに対し、一般色覚の人は色相を指標にしている。
 
【デザインの意図が色弱の人にうまく伝わらない場合】
■色による塗り分けの数が異なって見える
■対比色にしたはずの配色が類似色に見える
■類似色にしたはずの配色が対比色に見える
■意表をつく配色にしたはずが、わからない
 
■チェックツール
色弱の人がどう見えているのか、模擬的に示してくれるツール
 
【バリアントール】
サングラス型のフィルターを利用したツール。P型用とD型用が市販されている
 
【色のシュミレーター】
iPhoneなどに搭載されているアプリケーション。色弱の見え方を疑似体験できる
 
【フォトショップ・イラストレーター】
色弱チェック機能あり
 
【MultiSync / PAシリーズ】
色を変換する機能を液晶モニターのハードウエアに組み込んだ製品
 
■チェックツールの限界と注意点
チェックツールは色の見分けやすさの模擬体験をするツールであり、色弱者色の見え方を正確に再現したものではない。またチェックツールでは、もっとも強度の人の見え方を模擬していることに注意
 
 
■カラーユニバーサルデザインの実践とポイント
【カラーユニバーサルデザインが必要な場合】
色の違いに意味をもたせ、ユーザーがそれを区別することが求められる場合
 
【カラーユニバーサルデザインのポイント】
■見分けやすい配色を選ぶ
例:色数を絞り込む、色相やトーンの変更・調整、カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットの利用
 
■情報が正確に伝わるように工夫する
例:線は太く面積は広くする、色と色との境界線にはふち取りを入れる、色付きサインのまわりはなるべく白くする、塗り分けにパターンをつける、色の上に色を重ねない
 
■色の名前も明記する
例:路線図や案内図、グラフ、地図に色名をいれる
 
■色弱の人への対応
公共施設のデザインにおいては、下記のような特別な配慮が必要
例:顔を近づけられる低い位置に案内サインを設置、天吊りのサインのまわりに太い枠を設ける、床は明るい色にする、点字ブロックを目立たせる。
 
■視覚の加齢変化
水晶体の加齢変化(黄変化)・老人性縮瞳網膜照度の低下
グレア(減能グレアと不快グレア)の増大
 
【高齢者が見分けやすい色の組み合わせ】
輝度コントラストを大きくし視認性を高める
高齢者水晶疑似フィルター:高齢者の色パターンの視認性を定量的に模擬体験できる
 
高齢者の色の弁別能力:照度が低くなるにつれてエラーが増し、特に黄青方向の誤差が多くなる。

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