近現代デザインとカラーの歴史
■産業化と19世紀後半のデザイン
18世紀後半~19世紀にイギリスで産業革命⇒
機械による生産、中流階級の誕生、生産とデザインの独立
【19世紀後半の建築】
水晶宮(クリスタルパレス):J.パクストン
ラブルーストの閲覧室:H.ラブルースト
エッフェル塔:G.エッフェル
グラン・パレ:シャルル・ジロー他
オルセー駅:ヴィクトール・ラルー
サクラダファミリア:アントニ・ガウディ
【オートクチュールの始まり】
C.F.ウォルトが考案した服のオーダーメイドシステム
【自動車デザインの原点】
1890年頃⇒今日の自動車の原型
【ウィリアム・モリスの活動】
生活と芸術の統合を提唱
赤い家:モリスの自宅
モリス・マーシャル・フォークナー商会:サウス・ケンジントン博物館の「グリーン・ダイニングルーム」などを手掛ける
いちご泥棒:伝統的な天然植物染料を取り入れ、天然の藍色を再現
【アーツ・アンド・クラフツ運動】
1880年代~1916年にかけて欧州各地で起こった芸術運動
手工業の復興を推奨し、産業デザインの改良を目指す
■19世紀末から20世紀初頭の装飾芸術
【アールヌーボー】
生命力を取り戻す形や色を求めた芸術運動
⇒次第に退廃的、病的なイメージを持たれ下火に
⇒1960年代に米国で再評価、有機的デザインや自然柄のモチーフ
■建築
タッセル邸:V.オルタ
パリのメトロの入口装飾:H.ギマール
■グラフィックデザインで特徴的な色
ベージュとグリーン:ウジェーヌ・グラッセ
モーブ:アルフォンス・ミュシャ
黄色:ヴァン・デ・ヴェルデ
黒・白・黄色のコントラスト:オーブリー・ビアズリー
■陶器
ラスター彩の器を制作:C.マシエ
【グラスゴー派】
19世紀末にデザインや建築の分野で活躍。「STUDIO」誌が積極的に取り上げゼツェッションに影響を与える。
「ヒルハウス」「ラダーバック・チェア」「ウィロー・ティールーム」などが代表作
【ゼツェッション(分離派)】
19世紀末にドイツ語圏で起こった芸術運動、G.クリムトを中心に結成
「ゼツェッション館」「マヨルカハウス」などが代表作
【ウィーン工房】
ヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザが1903年に設立
直線と矩形の幾何学的プリント、「ストックレー邸」の設計
■異国情緒と強い色彩
20世紀初頭に出現
P.ポワレ:コルセットを使わないドレスを発表
マティス、ドラン、ヴラマンク、デュフィ:激しい色使いの絵画、のちに野獣派(フォービズム)と呼ばれる
ディアギレフ:バレエ・リュスを主宰。レオン・バクストによる高彩度色や金色を使った非西洋的色彩の舞台美術と衣装が特徴。スラブ色が強く、プリミティブでエキゾチックなイメージ
■機能とデザイン
【20世紀初頭のファッション】
コルセットを使わないドレス、スポーツウェアの普及、ドライビングウエアの流行、女性ファッションが活動的なデザインに変化(大戦中)、大戦後はシャネルやヴィオネが流行を先導
【建築における機能主義の始まり】
ルイス・サリヴァン:ラーメン構造の応用により高さ・大きな窓・広い室内空間を生み出す
F.L.ライト:オーガニック建築 「ダナ邸」
【初期の量産車】
フォード・モデルT:コンベアーによる大量生産
シボレーKリシーズ:大衆車の高級化
シトロエンタイプA:欧州初の量産車
フォルクスワーゲンビートル:ヒットラーの国民車構想に基づき、ドイツで開発
【欧州工業デザインの始まり】
AEG(アーエーゲー):AEGの電気ケトルを開発(デザイナーによる初の工業製品)
ウル・ライカ:1914年発売の小型カメラ、その後のカメラデザインの基本となる
【ドイツ工作連盟】
1907年設立。芸術、産業、手工の協同による実業活動の質の向上を目指す。「ヴァイセンホーフ・ジードルンク」は白い壁にスクエアな形が特徴。
■抽象・前衛へのバックグランド
19世紀末から20世紀初頭に世界各地で起こった芸術思想
【未来派】
マリネッティ(イタリアの詩人)、機械と速度を賛美
【ブルームズベリーとオメガ工房】
ブルームズベリー:イギリスで文筆家と美術家のグループ
オメガ工房:ロジャーフライが組織し、前衛的色彩の家具やインテリアを提唱
【ロシアの芸術運動とデザイン】
構造主義
【シュルレアリスム】
「過激なほどの現実的な表現を通して、創作は意識下の世界に踏み込んでいく」という思想。1924年のアンドレ・ブルトンによる「シュルレアリスム宣言」
part2はこちら↓
コメント