色の伝達方法
1.色見本方式 実物
2.色名方式
●慣用色名
言葉に置き換えて色を表示する方法
例:バラ色・朱色・空色・赤・黄・青
●系統色名
系統立てた言葉の組み合わせで色を表示する方法
例:あざやかな黄みの赤
JISの色名体系
1.慣用色名 (JIS慣用色名の総数=269色)
固有色名の中でも人々の間で一般に慣用され、定着しているものをさす
※時代・文化・地域などを共有している人々の間でしか伝達できない
※同色で異なる色名あり
2.系統色名 (JIS系統色名の総数=350色)
■基礎構造 ⇒ 修飾語+基本色名
●有彩色の系統色名
明度および彩度に関する修飾語+色相に関する修飾語+基本色名
※色相に関する修飾語は、色相環の両隣の基本色名に対応
●色みを帯びた無彩色の系統色名
色相に関する修飾語+無彩色の明度に関する修飾語+無彩色の基本色名
※明度に関する修飾語は基本色名が灰色の時のみ使える
●無彩色の系統色名
無彩色の明度に関する修飾語+無彩色の基本色名
カラーオーダシステム
カラーオーダシステムの定義 BY 国際色彩学会(AIC)
「物体色を順序よく配列し、合理的な方法または計画で標準化した表色体系」
代表的なカラーオーダシステム
【マンセルシステム】
アメリカの画家で美術教師であったマンセルが1905年に考案
その後アメリカ光学会(OSA)が色票集を測色、均等性をもつよう並び方を修正
1943年に『修正マンセル色票系』を発表 ⇒ JIS標準色票に採用
■色の三属性
1.色相(Hue)
基本色相5色:赤・黄・緑・青・紫
中間色相5色:黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫
10色相をそれぞれの色相記号に1~10までの数値を添えて10分割 (中心位置は5)
●色相環・・・色相を環状に並べたもの
2.明度(Value)
もっとも明るい色(理想的な白)と、もっとも暗い色(理想的な黒)の間を
知覚的に等間隔となるよう10段階に分割
白:10~8.75の領域
黒:2.25~0の領域
灰色:白と黒の間
3.彩度(Chroma)
無彩色の彩度を0として数値で表す
彩度の数値の上限はないが、実際上は14がほぼ最高値
表面色の色の見えについてのみ用いる
●その他の鮮やかさの概念
カラフルネス・知覚クロマ・飽和度
■色の表示方法
色相 明度/彩度 例:肌色=1YR 6/4
※無彩色はN(ニュートラル)記号の後に明度を表す数字を記載
■円筒座標と色立体
マルセルの三属性は無彩色の明度を中心に円筒座標で表せる
円筒座標を三次元で立体的に表したものが色立体(いびつな形)
●色立体を真横に切ると⇒色相環
●中心軸に沿って縦に切ると⇒等色相断面
●等色相断面に現れた明度・彩度はまとめて「うすい」「濃い」「さえた」などの形容詞で表すことができる = トーン(色調)
※トーンを使うことで、三属性を二属性で表現可
【CCIC】
商工会議所カラーコーディネーションチャートの略
色相とトーンの二属性による色彩体系
目的:カラーコーディネーターやデザイン専門家の配色実務に適合する
■CCICの色相
マンセル色相環を80分割しその中からほぼ知覚的等歩度に24色相を抽出
基本色相:赤・黄・緑・青・紫・オレンジ
※マンセル基本色相+オレンジ
簡易チャートでは12色相
■CCICのトーン
有彩色トーン:21分割 無彩色トーン:10分割
有彩色:低彩度領域のトーンを重視
無彩色:大きく6分割し高明度色を重視
■CCICの色の表現方法
「トーン記号 – 色相記号」で表示
例:ヴィヴィドレッド vv-R3
【NCS】
ドイツの生理学者へリングが1905年に示した色の自然な体系をもとにした表色系
1979年にスェーデンの国家規格に制定
心理的尺度に基づき人間の知覚量を記述することを目的
■NCSの色相
へリングの四原色(赤・黄・緑・青) + 白・黒
■NCSの表示方法
「黒色度(黒み) クロマチックネス(色み) – 色相」で表示
例:あさぎいろ 20 60 – B10G
20%が黒み、60%が色み、残る20%が白み(表記されない)
色相の内訳は90%が青み、10%が緑み
【PCCS】
色彩調和を目的とした国産の表色系
■PCCSの色相
主要原色:赤・黄・緑・青 (NCSと同じ)
主要原色の心理補色を原色の対向位置に配置し、さらに中間の色相を補った24色相
それぞれの色相には、色記号がつけられている
■PCCSの明度
知覚的等歩度性に基づき、白から黒までの間を17分割
■PCCSの彩度
心理的にもっとも鮮やかな純色を10sと定義
色票で再現できるもっとも鮮やかな色は9s
9sと無彩色の間を知覚的等歩度になるよう分割
■PCCSのトーン
トーン概念あり
■PCCSの色彩調和論
配色を色同士の色相差に注目し考察
0=同一色相 1=隣接色相 2~3=類似色相
4~7=中差色相 8~10=対照色相 11~12=補色色相
※CCICの色差区分と同じ
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