■古墳時代
原始社会の色 ⇒ 白・黒・赤 ※世界的に共通
[神話の例]
日本書紀・播磨風土記
[古墳の例]
九州各地の装飾古墳・高松塚古墳
■飛鳥・奈良時代
●飛鳥時代 ⇒ 仏教伝来 日本で最初の鉱物性顔料
●奈良時代
赤から紫まで各色相の絵の具が揃う
金色・銀色・植物性の色料(臙脂・藤黄・藍)
素材の色が絵の具の色と同等に扱われる(例:メノウ・貝・ビンロウジュ)
染色技術の進歩
【暈繝色彩】
1つの絵の具を明暗に3分割、外に行くほど明るく並べ、外縁を白でくくる
【冠位十二階】
公式服を五行説に基づきクラス分け。最上位を紫とする(←独自のもの)
【当色】
自分の身分にあたる色以外に、官位の下のクラスの色の着用が許されている
■平安時代
中国文化の影響から脱却 ⇒ 和風文化の確立
赤を中心として色の多様化、色名の増加
【赤色系の色名】
掻練・唐紅・今様色・一斤染・退紅
【禁色】
特定の位階の範囲にのみ着用が許された装飾の色を定めた宮廷制度
【聴色 ゆるしいろ】
誰もが着用できる衣服の色 ※紅、うすい紫
【色目】
宮廷生活で男女ともに用いた衣服の配色
例:若楓・はじ紅葉
■鎌倉時代
●仏教彫刻
写実表現と華麗な装飾模様
●甲冑
戦場で目立ちやすく識別されやすい色と模様
匂い⇒上が濃く下に向かって薄い色になるぼかし方
裾濃⇒匂いの反対
村濃⇒変化のあるぼかし方
●工芸品 ⇒ 吉祥性を表現
●鎌倉時代の代表的な色
勝色・海松色・檜皮色 ※重い感じの色が好まれた
■室町時代
●「寂」と「花」という矛盾した美の統一
寂 ⇒ 水墨画・禅・刀剣
花 ⇒ 夢幻能・金襴や唐織り・金閣寺
●室町時代に現れた代表色名
柿色 = 世間からはみ出した者をしるしづけた色
■桃山時代
金彩美の時代
●金碧障壁画 ⇒ 金色と青の対比
●摺箔・縫箔 ⇒ 金を布地化した織物
●南蛮文化 ⇒ 高台寺蒔絵・辻が花
●茶道
●小袖
■江戸時代
【前期】武士と富豪の町人が贅沢な衣装に明け暮れた時期
↓
奢侈禁止令
↓
【後期】町人が粋な衣装美を発見
町人には紅染めや、紫染が禁止されていた ⇒偽紫
茶色系・鼠色系の色が多数現れる『四十八茶・百鼠』
茶系・・・団十郎茶、芝翫茶、梅幸茶、路考茶、璃寛茶 ※歌舞伎役者の名前にちなむものが多い
鼠系・・・利休鼠(緑みの灰色)
■明治・大正時代
●明治時代
[欧州文化の流入により色彩における大変革期]
合成染料の普及 ⇒ 着物の色が派手な色使いになる(例:新橋色・草色・琥珀)
[新しい感覚の色名の登場]
肉色・柿鼠・貴族鼠・胡蝶鼠・都鼠
[色彩科学の登場]
矢野道也『色彩学』 明治40年
●大正時代
明治時代の踏襲と近代化への展開
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