音楽も○○が変われば印象は180度変わる? ELT Songs From L.Aをレビュー

AOR
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評論家の竹内一郎氏の著書「人は見た目が9割」。挑発的なタイトルに思わず手に取られた方も多いのではないでしょうか。わたし自身は読んでいませんが、9割とまではいかずとも人間は見た目に左右させられるという意見には同意でございます。仮に、同じマテリアルの人間が2人居たとして、一方はみすぼらしく不潔で、他方は身綺麗で清潔なら、好感度が高いのは「身綺麗で清潔」な方ですよね。

さて、それを音楽のお話に当てはめると、同じマテリアルでも○○が違えば、聞いたときの印象はガラッと変わってくるのです。さて○○とは何でしょうか?その答えは本日紹介するこの作品に隠されています。

 

本日ご紹介する作品はELT Songs Frome L.A  1999年リリースの作品でございます。
こちらのアルバムは日本の人気デュオ(発売当時はトリオ)「エブリリトルシング」通称ELTの楽曲をアメリカ西海岸のスタープレーヤーがカバーした作品。とりあえず参加ミュージシャンを見ていきましょうか。

博士
リー・リトナー(ギター)
スティーブ・ルカサー(ギター)
ジェイ・グレイドン(ギター)
アブラハム・ラボリエル(ベース)
ポール・ジャクソンjr(ギター)
ヴィニー・カリウタ(ドラム)

博士
マイク・ポーカロ(ベース)
マイケル・ランドウ(ギター)
パトリース・ラッシェン(ピアノ・ボーカル)
ジェリー・ヘイ(トランペット)
ビル・チャップリン(ボーカル)
トミー・フェンダーバーグ(ボーカル)
ジェイソン・シェフ(ボーカル)
ジョセフ・ウイリアムス(ボーカル)

博士
・・・・つかれた・・・・

どれもビックネームばかり!80年代洋楽好きなら、このメンツを見ただけで、何となく音の輪郭が見えてきたのではないでしょうか。さらに申し上げれば、このカバー作成依頼時に、ロスのミュージシャン側に渡されたのは、メロディー譜とコード譜のみ!つまり、「お好きに料理しちゃってください」ということ。(これは当時ELTのリーダー、五十嵐氏の意向のようです)

さて、出来上がった楽曲はといえば・・・本家とは似ても似つかない、想像を絶するものだったのです。(良い意味で)

トラック2「今でも・・・あなたが好きだから」原曲はミディアムテンポのバラードでしたよね。これがジェイ・グレイドンの手に掛かると・・・。まずイントロから度肝を抜かれます。ドラムの重々しいフィルからSus4系のキーボードフレーズ(めっちゃシリアスな曲調になっとるやんけ!)そして畳みかけるようにデストーションギターの上行フレーズをパンチイン。(・・・これはPlanet 3か?)そしてシリアスなイントロが終わると一変、硬質な音色のピアノがリズムを刻むシャッフルビート。白旗降参・・・これめちゃめちゃカッコイイです。

トラック10「Looking Back On Your Love」元はシンセのイントロが印象的な曲でした。これがどのようになったかと言いますと・・・4ビートのジャズボーカルソング(笑)めっちゃ心地よくスイングしちゃってます。レイラ・ハサウェイのボーカルは重厚感たっぷりで大人なムード。間奏はリーリトナーのギターソロ。オクターブ奏法や速弾きを駆使しいて、お洒落度100%。もう、たまりません。

極め付けはトラック3「Over and Over」ビル・チャップリン&ジェイソン・シェフのシカゴコンビ。ジェリー・ヘイやゲリー・グラントも加わり演奏はまさに「シカゴ」。アレンジもまんま「シカゴ」。サウンドはもちろん「シカゴ」。というか、これシカゴの曲じゃないの(困惑)ベストアルバムに収録されてても可笑しくない出来映えなのですけれど。

このアルバムは、マテリアルは同じでも「アレンジ」が変われば曲の印象はガラリとかわる、という好例です。ということで、正解は「アレンジ」でした。個人的な感想にはなりますが、(ELTの曲の良さも理解しつつ)やはりロスの一流のミュージシャンは凄いな。と感じます。音楽に対する懐の深さにただただ感服。そんなこんなで、大好きな作品ではありますが、私の選ぶこのアルバムのハイライトは、トラック8に収録されているスティーブ・ルカサーのギター。やる気がないのがバレバレ。もうちょっと丁寧にできなかったわけ?(笑)

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